ディジタルカメラで電波が写るのかどうか説明する

ディジタルカメラ(CCDイメージセンサーやCMOSイメージセンサー)
などの原理を説明すると、
シリコンでできたフォトダイオードと呼ばれる光の受光部分があり
このフォトダイオードにシリコンのバンドギャップエネルギー以上の
光のエネルギーが当たると、
その光のエネルギーにより価電子帯(電子が束縛されている状態)
からシリコンのバンドギャップをこえて
伝導帯(電子が自由に動ける状態)
へと電子が誘起される。
その電子の電荷量を測定して適切に処理することにより
映像として見ることができるという原理である。
つまり、シリコンのバンドギャップエネルギー以上の
エネルギーがなければ、電子が誘起されないので
ディジタルカメラなどで、その電磁波を映像として
見ることができないということである。

では、シリコンのバンドギャップエネルギー以上の
エネルギーを持った電磁波の波長を計算すると、以下のようになる


E=qV=hf (アインシュタインの関係式)

f=c/λ

E:エネルギー
q:電荷素量
V:シリコンのバンドギャップエネルギー=1.2(ev)
h:プランク定数
f:電磁波の周波数
c:光速
λ:電磁波の波長

上式の関係式から、実際に数字をあてはめて計算すると
波長λが計算できて、シリコンのバンドギャップエネルギー
に相当する波長は、「約1μm」となる

したがって、約1μmよりも小さい波長の電磁波でないと
ディジタルカメラなどで電磁波を映像として撮ることはできないという結論である。

約1μmの波長の電磁波は、近赤外線であるから
近赤外線以上の光の電磁波でないとディジタルカメラなどで撮影することは
不可能ということである。

それで、電波という単語が定義している電磁波の周波数は、
3THz(波長=0.1mm)程度が最大である

つまり、電波領域の電磁波は1μmの波長よりもはるかに長い波長なので
電波をディジタルカメラなどで写真に撮ることは絶対にできないという結論である